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【新NISA】投資信託とETFのどちらがいいかは目的で決める

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今回は2024年からはじまる新NISA制度において、投資信託とETFのどちらに投資すべきなのかを解説します。

新NISAでは今までよりも非課税保有限度額が大きくなったほか、成長投資枠では投資信託のほかに個別株やETFにも投資できるようになりました。

以前の記事で投資信託とETFの投資パフォーマンスの差をシミュレーションしましたが、新NISAにおいてはどちらが良いパフォーマンスになるのでしょうか。

またそのうえで新NISAでは、投資信託とETFのどちらに投資すべきなのか。

今回はこの2点について解説していきます。

資産額なら投資信託、キャッシュフローならETF

新NISAで投資信託とETFのどちらを選ぶべきかは、投資する目的によって決めましょう。

将来的に大きな資産額がほしいのであれば、投資信託。

日々のキャッシュフローを上げたいのであればETFです。

ただしETFのなかでもインデックスに連動するETFを選ぶ理由は薄く、同じインデックス投資であれば投資信託を購入した方が良いと考えます。

その理由について次に解説します。

インデックスETFが新NISAに向かない理由

ETFはS&P500などのベンチマークに沿った動きを目指すインデックス型と、配当利回りの高い銘柄に投資して定期的な分配金を得る高配当型が代表的です。

しかしながら新NISAで投資する場合、資産を大きくするためにインデックス型のETFへの投資をするのは不向きといえます。

理由は3つ。

  • 再投資するために非課税保有限度額をつかう必要
  • 成長投資枠でしか投資できない
  • 新NISAの有無で投資成績が良くなるわけではない

再投資に非課税保有限度額をつかわなければならない

ETFでは自動的に分配金が出る仕組みになっており、これを再投資するには非課税保有限度額を使わなければなりません

分配金を出さず自動で再投資するタイプの投資信託であれば、評価額として再投資されます。

ですがETFの場合は一度投資者の手元に分配されるため、それを再投資する際は新たに取得した費用になり非課税保有限度枠を圧迫します。

そのため効率的に資産を大きくしたいと考えるとき、より多くの元本を積み立てることのできる投資信託のほうが有利に働きます。

成長投資枠の枠内でしか投資できない

またETFを新NISAで買う場合は成長投資枠内でしか購入できず、成長投資枠の1,200万円しか投資することができません。

新NISA自体は全体で1,800万円の非課税保有限度枠がありますが、成長投資枠はそのうち1,200万円が限度です。

投資信託の積立では1,800万円全てで投資できる一方、成長投資枠での投資に限られるETFは新NISAの投資枠を使い切ることはできないため、この点でも元本の少なさで投資信託に劣ります。

インデックス型のETFは、

  • 分配金を再投資するためには非課税保有限度額を使わなければいけない
  • しかし、非課税保有限度額も投資信託と比べて小さい

この2点で、資産額を大きくするためにインデックス型のETFを買うことは、新NISAの制度設計とは噛み合っていないのではないでしょうか。

総合するとインデックス型のETFで資産額を大きくするのに、新NISAを使うメリットは無いといえます。

投資信託とETFの投資成績は、新NISAの有無によって差はつかない

制度的にメリットが無いとしても、新NISAを使うことで大きく投資パフォーマンスを上げることができれば使う意義があるといえます。

しかしながら新NISAを想定して投資信託とETFを比較してみたところ、投資成績に大きな差はつきません

新NISAにおいて、投資信託とETF(再投資有り)で投資成績を比較した表

シミュレーションではETFのほうが、やや投資成績は良く見えます。

ところがこの投資成績は、新NISAを使うか否かとは全く関係がありません

以前の記事【【S&P500】ETFと投資信託、投資成績をシミュレーションで比較】で投資信託とETFでどちらの投資成績が良くなるのかをシミュレーションした際、投資成績の差はパーセントにして約2.82%ETFが有利でした。

一方で今回の新NISAを仮定したシミュレーションの結果では、ETFが投資信託に対して約2.83%有利となりました。

つまり新NISAの有無によって、投資信託とETFの間の投資パフォーマンスに差が広がるということはないのです。

にも関わらず前述したような再投資による投資枠の圧迫、投資枠自体の小ささの2つの問題もあります。

であれば新NISAでインデックス型のETFを購入するのは、デメリットのほうが上回ります。

また3%弱の投資成績の差であれば、ETFを運用するのにかかる手間には見合わないともいえます。

この点については【【S&P500】ETFと投資信託、投資成績をシミュレーションで比較】を参考にしてください。

S&P500で投資信託とETFの投資成績を比較した記事のアイキャッチ
【S&P500】ETFと投資信託、投資成績をシミュレーションで比較 今回はS&P500を対象にして、同じベンチマークの投資信託とETFを比較したとき、どちらの投資成績が良くなるのかを解説します。...

シミュレーションの前提条件

なお今回の新NISAを仮定したシミュレーションは以下の条件で行いました。

共通条件
・毎年45万円を20年間に渡って投資。
 ※ETFが再投資分を含めて1,200万円以下の元本となるように調整した金額。
・投資対象のベンチマークはS&P500を想定。
・毎年8%ずつ値上がりし、1.5%の分配金を見込む。
・国外課税は10%、国内課税は非課税。

投資信託の設定
・保有コストは現在最低レベルのeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)を想定し、1.1%。

ETFの設定
・保有コストはVOOを想定し、0.3%
・為替手数料は1ドル=6銭とし、1ドル=135円のレートを想定。

投資信託の投資プロセス
・前期末の評価額に100万円を加えた金額が期初の評価額
・期初の評価額に対して8%の値上がり益、及び1.5%の分配金が発生。
・分配金には10%の課税(国外)がされ、差し引かれる
・期初の評価額に値上がり益と分配金(課税後)を加えた金額に対し、保有コストが発生。
・期初の評価額+値上がり益+分配金(課税後)-保有コストが期末の評価額となる。

・最終期末評価額から投資元本(2,000万円)を差し引いた金額を譲渡益とする。
・売却時に譲渡益に対しては非課税。
・したがって最終期末評価額が最終的に手元に残る金額。

ETFの投資プロセス
・前期末の評価額に対して、年45万円と再投資される前期発生の分配金(課税後)を加え、当期に生じる購入時為替手数料を差し引いた金額が期初の評価額。
・購入時の為替手数料(ドル転)は当期新たに投資する45万円に対して発生する。
・期初の評価額に対して8%の値上がり益、及び1.5%の分配金が発生。
・分配金には10%の課税(国外)がされ、差し引かれる。
・期初の評価額に値上がり益を加えた金額に対し、保有コストが発生。
・期初の評価額+値上がり益-保有コストが期末の評価額となる。

・最終期末評価額から投資元本(2,000万円+再投資された分配金(課税後))を差し引いた金額を譲渡益とする。
・売却時に譲渡益に対しては非課税。
・最終期末評価額に対して、為替手数料(円転)が発生。
・最終期末評価額-為替手数料(円転)が最終的に手元に残る金額。

また新NISAを考えない場合のシミュレーションについては、【【S&P500】ETFと投資信託、投資成績をシミュレーションで比較】をご覧ください。

確定申告が不要な点は数少ないメリット

ただし新NISAでインデックス型のETFを使うメリットが全くないわけではありません。

新NISAで運用する商品から生じた分配金には課税されないため、外国ETFから出た分配金でも二重課税を避けるためにわざわざ確定申告をする必要が無いからです。

外国ETFの分配金には投資先国と国内で二重課税がされ、それを解消するには確定申告による外国税額控除制度を利用する必要がありますが、新NISAで運用すれば国内課税はかかりません。

ただし外国ETFの場合、投資先国での課税は避けられないのは注意が必要です。

通常の証券口座でETFの分配金を受け取る場合は、二重課税を回避しても国内で20.315%の税が課されるのに対し、新NISAなら外国での課税(多くは10%)しか受けないのは新NISAを使えるメリットといえます。

分配金を再投資するのであれば非課税保有限度額を使う必要があるのはすでにお伝えした通りですが、それ以外のキャッシュフローの改善として使うことを想定すれば有効な手段でしょう。

資産額を大きくするなら投資信託

以上見たように新NISAでのETFには再投資が難しく、非課税保有限度額が小さく、そして投資パフォーマンスとしても目立ったメリットが無いなどの点があります。

したがって投資信託のほうが、新NISA制度を使って資産額を大きくすることに向いています

非課税保有限度額を圧迫することなく分配金を自動で再投資しつつ、新NISA制度の恩恵を最大まで活かすことができるからです。

特に分配金を再投資できるメリットは非常に大きいです。

年60万円を20年、元本1,200万円を積み立てた場合で配当金を自動で再投資する投資信託と配当金を再投資しない場合のETFを比べたシミュレーションが以下の通りです。

新NISAにおいて、投資信託とETF(再投資無し)で投資成績を比較した表

投資信託のほうがコストは大きくかかりますが、それと比較しても再投資した分の値上りが大きいことがわかります。

またこの値上りについても新NISAを使うことで売却時の課税がないため、そのままリターンとして受け取ることができます。

また1,200万円の元本を一括投資して、20年間投資した場合も比較します。

新NISAにおいて、投資信託とETFを一括投資した場合の投資成績を比較した表

こちらも投資信託は分配金を再投資できる分、ETFの投資成績を大きく上回りました。

つまり効率的に分配金を再投資することができる投資信託は、新NISA制度において資産をより大きくすることに優れています

新NISAのETFなら分配金狙いの高配当ETF

新NISAでETFを買うのであれば、再投資によって資産を大きく増やす目的ではなく、日々のキャッシュフローを上げることができる高配当ETFに向いているといえます。

新NISAで資産を大きくするのであれば投資信託を選ぶべきで、その理由はETFの分配金による再投資が新NISA制度と噛み合っていないからでした。

一方で数少ないメリットとして新NISAでは分配金に国内課税がかからず、確定申告も不要です。

これらを考えると、高配当ETFによって分配金を目当てにキャッシュフローを改善するのが、新NISAにおけるETFの使い方として向いているのではないでしょうか。

投資信託とは異なり、保有している間も常に分配金を受け取ることができるのはETFの明確に有利な点です。

また再投資はできなくても高配当株ETF自体、値上りによる利益も狙うことができます。

投資信託ほど大きく資産額を増やすことはできずとも、日々のキャッシュフローを改善することが投資の主目的であれば新NISAを使うに値するといえるでしょう。

投資の目的を絞る

今回新NISAで買うなら、投資信託とETFどちらが良いかを解説しました。

しかし新NISAで投資信託とETFのどちらを買うべきなのかは、投資の目的によって答えが違います

  • 資産額を増やしたい → 投資信託
  • キャッシュフローを改善したい → 高配当ETF

どちらが良いか悪いかというのはなく、自分の投資目的をはっきりとさせることが必要です。

一方で資産額を増やす目的なのであれば、再投資を前提とするインデックス型のETFは新NISAにおいてはあまり向いていません。

この点は新NISAの制度をよく理解し、効率の良い投資ができるようにしましょう。

なお今回のシミュレーションはあくまでも仮定の条件に基づいて算出しています。
実際には年利回りがマイナスになる年もあるなど、現実の投資条件や状況は異なります。
したがってこのシミュレーションをもって、ETFと投資信託のどちらが優れているかを断じるものではない点に留意ください。
投資される際は現実の市場環境及びご自身の投資状況、条件等を勘案してご自身の責任で判断してください。

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