今回はモノを買わないことを心がけることで、生活に生まれるメリットやその理由を解説します。
部屋に使わないモノが多く溜まっている、セール時にはついいらないモノまで買ってしまう、そんな人に足りていないのはモノを買わないことの良さです。
モノを買ったほうが生活が良くなり、できることが増えた気がするのは、あなたが誰かからそういうふうに思わされているだけかもしれません。
買わないことによるメリットのほうがむしろ大きいと理解し、買わない生活の心構えを身に着けましょう。
買わない生活は余裕を生む
買うことによって多少便利になることは否定しませんが、余計なモノや無駄なモノを買うことで生活を拘束している面もあります。
逆にモノを買わなければ、そのデメリットの裏返しになるようなことを得ることができます。
つまりお金の余裕、空間の余裕、そして心の余裕です。
お金の余裕
必要なモノだけを厳選し、それ以外のものには手を出さなければ自然とお金が溜まっていきます。
私は派遣社員の少ない手取りでも貯蓄率も40%、年間100万円ペースで貯金ができました。
以前に断捨離してメルカリで30万円弱ほどのモノを売った経験が、今の生活を築く基礎になっています。
その時思ったのは、30万円も売れて嬉しいことではなく、30万円もの余計なモノや無駄なモノを抱え続けていたことに対する反省です。
そもそも最初から買っていなければ、さらに1.5~2倍くらいのお金を貯金できていたでしょう。
空間の余裕
また部屋にモノを置かなければ、スペースが生まれます。
かつて暮らしていた1Kの部屋での暮らしはモノが多く、部屋の床が埋め尽くされるほど。
買わない考え方や方法を身に付けておらず、沢山の必要ないものをなんとなく買っていたため、ギリギリ人が通れるくらいの動線しかないような状態になっていました。
今リビングの床においているのは、テーブルと椅子、ベッド、サーキュレーター、カラーボックスが1つで、他のものはクローゼットなどに収納できるくらいのモノの量です。
もしいっとき不要なものを捨てたとしても、買わないことを心がけなければ、広々とした生活空間を確保することはできません。
心の余裕
そしてお金や空間のような物理的な余裕があると、心の余裕につながります。
毎月、毎年のように赤字になっている家計簿を見たり、モノが乱雑に置かれた部屋で毎日過ごしていればきっと嫌な気分になるでしょう。
落ち着いた心や精神的な余裕をつくるのは、余計なモノ、無駄なモノを買わないシンプルな生活です。
買わないメリット
ではなぜ買わないことで余裕のある生活を送ることができるのでしょうか。
買わないことで余裕が生まれるのは、所有のデメリットを負わなくて済むからです。
所有のデメリットから自由になれる
その場限りの経験をすることやサービスを受けることとは違い、モノを買うとは自分のモノとして持ち所有することです。
しかし所有・維持することには常に多くのデメリットがつきまといます。
- お金がかかり続ける
- 管理するコストがかかる
- 場所を占領する
- 身動きが取れなくなる
- 自分がモノに縛られる
買わないことは、これら所有のデメリットを引き受けなくてもよくなる唯一の手段です。
モノを持つ限りお金はかかり続ける
所有のデメリットとして代表的なのは金銭面、お金がかかることです。
モノを買うときにお金がかかるのは、ものを買うそのときだけだと考えていませんでしょうか。
たしかに買うときにお金がかかるのはもちろんなのですが、一度モノを持つことは、その後も継続的に買い続けることを意味します。
例えばテレビを買う人は古くなったり故障したりしたら新しいテレビに買い替えますが、その度にお金を払います。
一方で持っていない人や、手放した人はそれ以降テレビにお金を払うことはありません。
つまり一度モノを買うと生活の中に定着してしまい、これまでも使っていたからと根拠に乏しい理由でなんとなく買い続けてしまいます。
最初に買うときに慎重に検討しなければ、後々までかかり続ける金銭的コストとして生活を拘束し続けます。
モノに縛られる
たくさんあるほど、高価であるほど、道具であるはずのモノに、自分がモノとして使われ始めます。
たくさんあればそれらの連携をとるために自分が動く必要があり、たくさんのモノを動かすのに時間が必要です。
高価であれば元を取ろうとして不必要な場面でも使わざるを得なくなったり、それを中心として他のモノを揃えたり。
判断や生活が自分中心からモノ中心になり、自分がモノのために動く道具になってしまいます。
例えばロボット掃除機を買ったとき、それを使って掃除を効率化しようとしているのに、いつの間にか自分のほうがロボット掃除機のために動いていました。
掃除するために床になるべくモノを置かないこと、動いている間は導線を邪魔してはいけないこと。自分の生活や行動が、まるでロボット掃除機に使われているような気分でした。
果たしてこれではロボット掃除機と自分、どちらが判断の主導権を握っているのかわかりません。
モノが少なければモノに構う時間が少なくなり、やることがシンプルになります。
身動きが取れなくなる
いつどんなときにでも素早く動けるようにモノを減らしておけば、転職・結婚・体調の悪化など大きな変化にも柔軟に対応できます。
しかし引越しなどをするときに家具家電など大きいモノであれば動かすのが大変になり、モノが多くても全てを詰め込んで移動するのは大変です。
もちろんお金をかけて道具や人を用意すれば難しくありませんが、それもまた1つのコスト。
特に大きなモノを持っているほど、場所が制限されて移動の自由がなくなります。
例えば車を持っていれば駐車場のある物件に選択肢が制限されますし、家を持っている人はその場所から離れる事自体が相当難しいです。
大きすぎるモノも、多すぎるモノも、荷物でしかありません。
モノを管理するコスト
所有するモノが増えるたびに、部屋のどこに置くかを考えて、管理し続ける必要が出てきます。
増えすぎると一体何がどこにあるのかを把握しておくのが困難になってしまい、大切なモノをなくしてしまったり、あるいは重複したものを買ってしまったりします。
多すぎるモノの定位置を定めて常に置き続けるのは生活する上での負担が大きく、そもそもモノを少なくすることによってしか解決できないでしょう。
また持っているモノの分だけ掃除する場所も増え、部屋のスペースを占領するくらい大きいものであれば、そのスペースを掃除するのも大変です。
さらに持っているモノの数だけ、破損やそれに伴う修理のリスクも増えていきます。
場所を占領する
モノを置くにはスペースが必要ですが、私たちは家賃や駐輪場、駐車場などスペースを手に入れるためにはお金を払わなければいけません。
特に家賃は生きている間中かかり続けるコストといえますから、これが少ないに越したことはありません。
モノを買わずに減らしていけば、小さいスペースと少しのお金で済ませることができます。
部屋いっぱいに家具などを置くのは、スペースを効率的に使っているのではなく、生活スペースをモノに奪われているのです。
自分が余裕を持って動けたり、作業ができるくらいの広さがない部屋など、なんのために家賃を払って借りているのかわかりません。
全くモノをなくしたほうが良いとは言いませんが、本当に必要なモノが欲しくなったときのために、受け入れられるだけのスペースは常に空けておくべきです。
買わないことは最強のセールになる
買わないメリットがわかっていても、思わず手を出してしまう人の中には、セールでつい買ってしまうというパターンもあります。
しかし理解してもらいたいのは、どんなセールよりも買わないことが最もお得な選択であることです。
お店で行われるセールでは「10%引き」「30%ポイント還元」、中には50%以上値引きされることもあるでしょう。
ですがそもそも買わなければ「100%値引き」「100%還元」の、他では絶対に見れない最強のセールを、自分の判断1つで開催できます。
そう考えると、セールが全然お得には見えてこないのではないでしょうか。
セールに心を乱さないために、セールを無視する
またセールを行っている時期が、必ずしも自分にとってモノが欲しいときと同じとは限りません。
セールは無視して、自分に必要があるものだけを、自分が必要なタイミングで買うのが一番お得な買い物です。
もし欲しいモノを安く手に入れられたとしても、値引き額以上の値段がする不必要なモノを買ってしまったら、むしろ損していると気づきましょう。
迷ったら買わないほうが得する
今回はモノを買わないことを心がけることで、生活に生まれるメリットやその理由を解説しました。
買わなければ所有のデメリットを負うこともありませんし、そもそも買わなければお金を使うことがなく節約になります。そこから生活に余裕が生まれるのです。
気づいたらモノが増えているのは、買うか買わないかを迷ったときに「迷ったら買う」考え方をしているから。
買い物の基本は、買わないことです。「モノは買わないほうが良い」「迷ったら買わない」考え方を身につけましょう。
モノを買わない生活のメリットを理解したら、次は実際に買わないことを実践しましょう。
「余計なモノ・無駄なモノを買わない方法【なんとなく買って後悔しない】」で余計なモノや無駄なモノを買わないための方法を解説しています。
買わないことを心がけて、必要なものを見極める技術を身に着ければ、余裕のある生活を送ることができます。
▽ 参考記事
所有のデメリットは大きいものほど、高価なものほど自分を縛り付けてきます。
自分にとって大きすぎるモノは、ときに人生レベルで縛り付けられます。