「買ったは良いけど、いざ捨てるとなると面倒」
「こんなに手間かかるなら買わなくても良かった」
持っているモノを捨てようとしたときに思ったことはないでしょうか。
今回は「買ったは良いけど捨てるのが面倒」にならないための2つの考え方を紹介します。
実例も交えつつ、この考え方を実行した結果どんな変化が起きているのかについても解説します。
捨てるのが面倒を避ける2つの方法
捨てるのが面倒にならないようにするために、自分がやっている方法はこの2つです。
- 買う前から捨てる方法を考えておく
- 捨てやすい素材に変える
買う前に捨て方まで考える
買うときから捨て方を考えておけば、いざ捨てるタイミングになったときにおっくうになることを避けられます。
そもそもモノを買って所有する以上、使い続ければいつかは壊れて使えなくなって、必ず手放すときは来ます。
買うことと捨てることは表裏一体の関係にあるのですから、買うときには捨てるときのことまで考えるべきです。
捨てる時になって急に面倒になるのは、買うこと=捨てることであるのを分かっていないからです。
前もって捨てる方法を考えておくべき理由
そして捨て方は買う前から考えておかなければなりません。
なぜならモノを買うことよりも、捨てることのほうがハードルがはるかに高いからです。
モノを買うという行為は、心理的、物理的にとても簡単な行為です。
買いたいと思ったらAmazon・楽天でワンクリック。
大きくても重くても配送業者の方が運んできてくれるので、自分が苦労することがありません。
しかし手放すときにはそう簡単にはいきません。
ゴミを捨てる日は決まっているので、捨てたいと思ってもすぐ捨てることはできません。
粗大ごみだったら受付や手数料の支払い、大きくても重くてもゴミ置き場まで運んでいくのは自分自身です。
人は自分が持っているモノを過大に評価して、捨てづらくなる傾向があることが知られています。
持っていなかったら買わないようなモノなのに、すでに手にしていると捨てるのが惜しくなってしまうのです。
もう使わないはずのモノなのに、いつか使うかもと考えて捨てられない経験は誰にでもあるはず。
だからこそ、買ってからではなく前もって手放すときのことも考えておく必要があります。
扱いやすい素材で代用できないか考える
簡単には処分できない、手間がかかりそうなのであれば、もっと扱いが楽な製品や素材にすることができないか代替手段を考えます。
粗大ごみになりやすくて硬く重い重金属製品よりも、軽く扱いやすいプラスチック製品で代わりとなるものがないかを探したり。
さらに軽く柔らかい素材の布製品は可燃ゴミとして処分しやすく、代用を検討する際にはぜひおすすめしたいです。
また大きく重たいモノを検討するときには、小さいサイズの製品を複数個揃えることで代わりにする方法も考えられます。
使わなくなったらしまえたりその分だけ処分したりと、小さい方が小回りが利く場面もあります。
代替手段を考えるときに肝心なのは、その製品に求めることをはっきりさせることです。
いま買おうとしているものでなければ、目的を果たすことは本当にできないのでしょうか。
どういう悩みを解決しようと思って、モノを買おうとしているのでしょうか。
なんのために買いたいのかをよく考えれば、別の手段があるかもと気付けるはずです。
2つの考え方を実践する
買う前には実際どのように考えているのか、考えた結果どのような買い物をしているのか。
自分の実践例を紹介します。
捨てるまでを具体的にイメージする
まずは買いたいモノを既に持っていると考えたとき、それを捨てたり手放したりする方法を具体的に考えてみます。
アバウトにではなく、具体性を持ってイメージすることが大切です。
例えば、
- ゴミの種類は可燃ごみなのか、不燃ごみなのか。
- どのくらいの大きさのゴミ袋なら入れることができるのか。
- 粗大ごみとして処分する必要があるのなら、手数料はどのくらいかかるのか。
- 自分の家から粗大ゴミ置き場まで持っていける大きさ、重さなのか。
- 持ち運ぶ手段は台車のような道具をつかうのか、手で持ち運べるのか。
といったことを考えて、その手間を自分自身が受け入れるくらい欲しいモノなのかを問いかけてみます。
最近は自治体が品目別にゴミの分別方法をアプリなどで発信しています。
確認してどんな分別方法になるのか、面倒かもしれませんが詳細に決めておきましょう。
面倒さを受け入れることができてようやく「捨てることができる」=「買うことができる」ということです。
中古品としてフリマアプリで売るのを考える場合
耐久財であれば捨てるだけでなく、中古品としてフリマアプリなどで売ることで手放すことも考えます。
フリマアプリに出品するとしても、その製品が実際に売れているのか、どのくらいの価格帯で売れているのかは必ず確かめます。
発送する際に必要となる梱包資材の調達手段や、コンビニや郵便局で発送する際の手間なども考慮しましょう。
簡単に捨てられる素材・大きさで代用する
素材を変える
扱いやすい素材にするために、粗大ごみとして捨てるしかない金属製の物干し竿ではなく、ダイソーで購入した布素材の洗濯ロープで代用しています。
耐久性では金属製の物干し竿に劣りますが、1年半くらいベランダに出しっぱなしにしていても問題ありません。
もし破れてしまったり汚れたりしても布素材のため可燃ごみとしてすぐ捨てられて、ダイソーでまた買えます。
物干し竿の値段や捨てるとき、買うときにかかる手間を考えれば、安価に入手できるうえに扱いやすく、機能的にも十分に代用可能です。
プラ製の衣装ケースは大きくて場所を取っていて買い換えようと考えたときには、布製の衣類ボックスにしました。
無印良品のポリエステル麻ソフトボックスは季節外れの服を収納に、日常使いする下着や靴下などはニトリの吊り収納 プレッソに入れて使っています。
これらの柔らかい素材でできた製品は使わないときには折りたたんで置くことができてスペースも取りませんし、捨てるのにも手間取りません。
サイズを小さくする
不必要に大きなものを買わず、必要最小限で済ませようとして購入したのが無印良品のスチールパイプテーブルです。
以前はこの倍の大きさほどあるL字デスクを使っており、壊れてしまったのをきっかけに買い替えたものです。
なぜサイズの小さいものに買い替えたのかというと、L字デスクを処分するときに粗大ごみとしてゴミ置き場まで運んだのですが、とんでもなく大変だったから。
重さが約17Kgほどあり、一人で運ぶにはいつもなら1分もかからないだろう道のりを2~30分かけて、迷惑にならないよう深夜に運んでいました。
次に買うときには同じような苦労はしたくないと思い、必要最小限で一人でも持ち運べるくらいの大きさで選んだのがこのスチールパイプテーブルです。
軽く持ち運びやすいと模様替えするのも容易で、買うときにも店鋪から電車と徒歩を使って持ち運んできたのもあって今後持ち出すことになっても心配ありません。
長い柄を持つフローリングワイパーも、粗大ごみにならない長さに分解できるものをわざわざ選んでいます。
分解するとすべての部品が30cm以内に収まるので、金属製ではありますが粗大ごみとして捨てなくても良くなりました。
別の製品で代用できないか考える
2年ほど所有していたこたつも、1Kの部屋では机や敷布団、掛け布団が大きくて場所を取るため手放すことにしました。
とはいえ寒いのは苦手で、エアコン代を節約したいというのもあり、代用になりそうなモノを探して電気毛布を購入しました。
電気毛布にブランケットを重ねがけすることで、完全とはいえないもののこたつの代用ができていますし、こたつほど場所も取りません。
また使い勝手の面では場所を問わずに使え、夜にはシーツの下に敷くことで寒さ対策にする使い方などもできます。
生活がシンプルになる考え方
買う前から捨て方を考え、その過程で扱いやすいモノを優先的に選ぶようにした結果、生活に変化が生まれました。
余計なモノを買わない・増やさない
捨てることや手放すことまでを考えてから買い物をするようになり、買ってから後悔したり、なんで買ったのか自分でも思い出せないような余計なモノを買わなくなりました。
買うよりも捨てるハードルの方が高く、難しい捨て方や手放し方までをしっかり考えてようやく買おうとするため、安易に製品を購入することがなくなったからです。
捨てるのにただゴミ袋に入れれば済むようなモノもありますが、粗大ごみのように手間も、時間も、お金もかかるようなモノはかなり慎重に検討しなければいけません。
そのため特に大きいモノはまず捨て方・手放し方を考える癖がついて、手間取りそうならやめておくという判断ができています。
使いやすいモノで代用できないか工夫する
余計なものを買わなくなったことで、欲しい物があっても工夫や代替手段がないか考える癖がつきました。
新しくモノを増やさないなら今あるモノで何とかするしかありませんし、買うにしても処分しやすかったり組み合わせることで扱いが簡単になったりしないか、購入する前には一度探してみます。
結果として様々な製品をよく吟味できるようになり、即断即決で買ってしまう事もないです。
また特定の用途に限定されるような製品よりも、他のものと組み合わせやすかったり別の用途にも使えそうなシンプルなモノを選ぶようになりました。
そしてそれらを大事に使っていこうという思いも芽生えてきました。
選び抜いて買ったモノでも最後には自分の手元を離れるときは来ます。
捨てるにせよ長持ちさせたいですし、中古品として売れるのであればなるべくきれいな状態にしておきたいので、丁寧な扱いを心がけています。
持ち物に「出口戦略」を立てておこう
「買ったは良いけど捨てるのが面倒」にならないための2つの考え方を紹介してきました。
はっきり言って自分自身も、持っているモノすべてがこの考え方に基づいて買ったわけではありません。
ここ2年ほど心がけていることなので、それ以前に買ったモノは捨てることまで考えていたとは言えないです。
しかしながら捨て方までを視野に入れて所有するのは、余計なものを増やさないうえに、買うものを吟味する上で併せ持っておきたい考え方だとその2年の実践を経て感じています。
モノを買いたいと思った瞬間には、消費欲求や所有欲などから目の前のモノを「買うべきか、そうでないか」という短期的な視点で捉えがちです。
そうではなくてもっと将来的な「手放せるのか、そうでないのか」という視点で検討すべきでしょう。
買うという所有の入口には出口も必ずありますから、「持ち物の出口戦略」として捨てる方法や手放す方法を立ててから購入することを勧めます。